惣譽酒造株式会社

長男の結婚

2018
1125
Sun

長男が結婚した。可愛いお嫁さんが来てくれた。なんと幸せなことか。何しろ何もない所だし、酒蔵だし、冬寒いし、じじばば付きだし、小姑も二人いるし・・・・およめさん、探せるかしら、来てくれる人いるのかしら・・・という心配をよそに、息子はこの人しかいないというような女性を連れてきた。(自慢です、スミマセン。)

そして二人は酒造りを学ぶために、毎日蔵に入っている。だんだん寒くなるので、風邪をひかないかしら、しもやけできないかしらと心配しているが、元気に作業着を着て、長い髪を帽子の中に入れて蔵のなかへと入って行く。

30年ほど前、私も嫁に来て最初の年に、蔵に入っていたことがある。醸造試験所で学んだ方法で一本仕込んでよろしいと父からお達しが出たのである。(そのころ、酒蔵の子弟に酒造りを国税庁の醸造試験所が指導する講習があった。私は嫁なんだけど・・・)しかし、半端なく寒いし、手はあかぎれで血がにじむし、足の指は全部しもやけだし、数日で挫折して、後はお願いしますと杜氏におまかせして逃げてしまった。なんの根性も情熱もありませんでした。

「いやじゃない?寒くない?いやになったらすぐ出てきていいよ。」と、頑張っているお嫁さんにまで投降を促す不まじめな姑。

 

長男の結婚に関わる行事をこなしていくことで、この秋は過ぎていった。その間に、今年の酒造りも始まり、岩手から蔵人さんたちも来て、あっという間に、12月がやってくる。足元がおぼつかない浮ついた感じが抜けきらぬままで、歳のせいか、身体がだるい。疲れがすぐには出てこないで、時間差で現れるのだ。疲れると口調がきつくなって、主人に八つ当たりする。主人は私と違って波のない性格なので、疲れても口数が少なくなる位で、周辺に害は及ぼさない。私は大荒れである。口にチャックして、とにかく早寝をするに越したことはない。

 

留袖を着るために髪をアップにしようと、長く伸ばしていた髪をバッサリ切った。これだけでも、とても楽になる。

少しずつ、元に戻りつつある昨日今日である。