惣譽酒造株式会社

杉玉の掛け替え

2019
27
Thu

  酒蔵の軒先に下がっている杉玉が、新しく下げ替えられるのは、その年の新酒を絞り始めましたという印である。前年の冬に下げられた杉玉は、茶色くなって酒とともに熟成している。新しい杉玉は緑色が目にも鮮やかで、新酒の若々しさを表している。

惣誉の杉玉は、新酒が出来上がる12月には替えられず、いつも1月の終わりから2月に作っている。年末の忙しさの中、作る時間をとることができない。

今年は2月のはじめの週に作ることとなった。緑色の杉の葉は、日の当たらない林の奥に生えている木から取ってくる。日が当たる外側の葉は茶色に変色しているものが多く、大きな木では花が咲き始まっている。社内で調達することができずに、ご近所から取らせていただく。ありがたいことである。ひとつの杉玉を作るのにも、多量の杉の枝を必要とする。

竹で作った芯となるボール状のものに、杉の枝を差し込んでいく。

モサモサとした杉の玉が出来上がる。これを丸く刈り込んでいく。

隙間があるところには更に枝を差し込んで、丸く隙間なく形を整える。熟練の作業。

 

大きく出来上がった杉玉を軒先に下げる。今年も新酒を出すことができましたと、お酒の神様に感謝する行事である。

 

無事、新酒の目印を飾ることができた。ありがとうございます!