惣譽酒造株式会社

酒造夜話

寒い寒い冬

2018
23
Sat

昨日の雪と雨で、前回の大雪で残っていた雪が溶けた。寒い今年の冬は、大寒の大雪で更に寒く感じられたが、2月に入って、少しずつ日が延びて、日差しも明るさを増してきたようである。春が待ち遠しい。 酒蔵は、この一番寒いときに最も良い大吟醸を仕込む。大吟醸は、低温で長い期間、発酵させるもろみを仕込むため、蒸米の温度を蒸かしたての温度から、ぐっと下げて、タンクに入れなければならない。周りの気温が高いと、なかなか米の温度が下がらず、時間がかかる。しかし、今年はあっという間に下がってしまうようだ。 寒すぎる。 洗浄機で器具を洗っていて、何か違和感があると思ったら、長靴の靴裏につららが付いていた。なんて話を聞くと、冷凍庫の中で作業しているようだねえ、と、厳しさを実感する。製造の社員の方たち、ありがとうございます。今日は温まる鍋料理でも致しましょうか・・・ 

昨年の10月は夏に続いて雨が多く、日照不足で彼岸過ぎに蒔いた大根がうまく育たなかった。11月の蔵の食堂が本格化するころには太くなるかしら、と育つのを待っていたが、結局とても上品な大きさにしかならず、長くてもせいぜい30センチほどであった。白菜も巻きがゆるいし、ほうれん草もおチビさんで終わった。こうなると、世間でも野菜の値段は高騰して、しかも品薄である。

大きな大根をあきらめて、小ぶりな大根を収穫し、12月に入ってから塩漬けした。年末は余裕がなく、結局、酒粕に浸けこんだのは、年が開けてからである。2月のお客様に出せるかどうか、微妙になってしまった。しかし、小ぶりながらも、シャキシャキとした歯ざわりと、いつも通りの塩加減で、なんとなく上手に浸かっているようである。

春先のお客様には、酒粕の発酵による甘さも、しっかり染み込んだ大根の粕漬をお出しできるであろう。

先日もテレビで、酒粕を毎日少しずつ摂取し続けると、お肌が若返って、もちもち素肌になる、という特集をやっていて、和洋中のシェフが、酒粕を使った料理を紹介していた。

栃木県には、2月の節分が過ぎた、初午の日に食べる「しもつかれ」という郷土料理がある。今年2018年の初午は、2月7日である。 新巻鮭の頭を形がなくなるまで煮て、大根、人参を鬼おろしという、竹でできた、大根おろし器の粗い大きいような道具で荒くおろしたものを加え、節分で播いた炒った大豆と酒粕、家によっては油揚げやさつま揚げなどを加えて、煮込んだものである。 各家庭で味わいに特徴があり、大鍋で作って分け合い、何件もの家のものを様々沢山食べると、その年は健康に過ごせる、という言い伝えがある。

したがって、この初午の前が酒粕の最需要期であり、新酒を絞って売るのと同時に、酒粕も売るのである。

 

 この季節、香りの良い、白い酒粕が、仕込み真っ只中の酒蔵から出荷されていく。