惣譽酒造株式会社

酒造夜話

あきらめの夏

2017
820
Sun

まったく、今年の夏は雨ばかりである。もう、沢山だ。光合成がしたい。ベランダの植木鉢の中に白いキノコを発見した。抜いてみたら、シメジのような香りがして、一瞬、美味しそうかなあと思ったけど、捨てた。

毎年のことだが、窓ガラスに小さな緑色のアマガエルが沢山登ってくる。夜の間に灯りに来る虫を食べるのであろうか。7月になって現れ始めた当初は約1センチ位だった身体が、だんだん育って、2センチ大になっている。知らないうちに大きくなってくるから、ここで食べ物にありついているのであろう。そして、やはり気色悪いと思われるかもしれないが、ヘビが登ってくる。窓の上の鴨居になが~く横たわり、獲物(カエル)を狙っている。朝、新聞を読んでいたら、ドン!と、いう音に驚いてベランダを見やると、すぐそこに、ヘビが丸くなって落ちてきていた。これでは、外に出る時、油断していたら頭の上からヘビさんが肩にかかって、首に巻き付く、なんて恐ろしいことが起きるかもしれないので、ベランダの床掃除、窓ガラス掃除をマメにしなければならないなあ、と、思っていた。そこへきて、この長雨である。(掃除をしない言い訳ですかね。)

雨の続く夏に出会うと思い出す光景がある。いつだったか、真夏の西武球場に、サザンオールスターズのコンサートに行ったことがある。

真夏だったのに、雨ばかりの寒い夏で、太陽になかなか出会えず、桑田さんが、「みんな~、日焼けした顔がいいね~!」なんて、ふざけていた。

寒さに震えながら、サザンの歌う夏の歌を聞いていた。

 

サザンオールスターズには、雨を歌った曲も多い。恋人との別れや、うまくいかない思い出は、雨に濡れた海辺の景色と共に描かれる。

 

「夏をあきらめて」に出てくる、潮風のざわめきとともにやってくる雨雲。

雨でかすんだ景色の中にボンヤリ浮かんだ江ノ島。

そして、恋人と駆け込むパシフィックホテル。

 

その昔、134号線を車で走ると、松林の向こうに塔のような建物が見えていた。あれが、茅ヶ崎のパシフィックホテル。

なぜか私の思い出も、雨の中の風景である。今はもう、ない。