惣譽酒造株式会社

酒肴をこらす

2018
624
Sun

ひと月ほど前、5月の終わりに、惣誉の酒蔵で30名の来客を手料理でもてなす、という行事があった。とても好きな人たちで、気の置けない仲間なので、楽しい会にしたいと思った。みなさん、他県からのお客様。折角、ここまで来られるのだから、今の季節に食べられる旬のもの、ここの地場のものをお出ししたい。

何があるだろう。 5月に入って、ずーっと頭から離れず、食べ物のことばかり考えていた。

まず、テーブルに並べておく前菜は、近くの料亭から色美しい小さな三品を用意。サラダと一緒に、フレンチレストランからのテリーヌなども。魚は、鮎。茂木のヤナから焼き鮎を届けてもらう。と、ここまではお取り寄せのお料理だ。

メインのお肉は、一度に沢山焼くのはちょっと大変なので、煮豚を煮ておくことにする。「豚のロースを5キロください。煮豚用に500グラムの塊にして10個。」なかなか、ゴロゴロした大量の肉は壮観であった。蔵のカレー用の鍋で煮豚を作る。ほうじ茶で煮ると、さっぱりとした仕上がりである。

5月の野菜は、何よりも、アスパラガスが美味しい。市貝町の名産の、アスパラガス。天ぷらにすると、甘みとみずみずしさが際立つように思うので、一人2本として、60本必要。これだけの本数、お店には並ばないから、生産者に直接頼んで買うことにする。生でも食べられるくらいのアスパラガスが届く。 そして、真竹の竹の子。ちょっと、時期が早いのだが、そろそろ出てきているかもしれないので、見てきてよ。と、社員二人に頼んで、竹やぶへ探しに行ってもらう。案の定まだ早くて、「地を這うようにして、これだけ見つけました。」と、小さめのを5本ほど、掘ってきてくれた。早速皮を向いて、コメの研ぎ汁で茹でる。鶏肉やコンニャクなど入れて、煮物にする。真竹の竹の子は孟宗竹の竹の子より柔らかくて、形も細いので、上品な感じの煮物になる。

締めは、地元のそば打ち名人の手打ちそばをふるまう。

デザートは女性社員のお手製で杏仁豆腐とチョコレートブラウニーを。チョコレートブラウニーはお持ち帰りになるほど好評であった。

オール地元、市貝、茂木、芳賀、真岡、そして宇都宮のおもてなし。

オール惣誉社員の手による、お・も・て・な・し。

 

しばらく興奮状態でチャカチャカしていたが、3日ぐらい経って、体の重さをずんと感じたのであった。